先日、偶然のなりゆきで西成区・飛田を歩いてきた。
あのエリアは予備知識なしで歩くと「なんなんだあの街は!」と 誰もが驚くようなところ。 後から調べてみたら、西成区・飛田は、日本最大の日雇い労働者の街であり、 西日本最大の赤線地帯なのだった。そりゃ強烈なはず。 この街の雰囲気はGoogleMapじゃわからない。 西成区の商店街は普通ではなかった。 簡素な作りの色気のない立ち飲み屋、異国情緒すら感じさせるセンスの洋服屋、 中高年しかいないゲームセンター、いまどき80円の自動販売機などが立ち並び、 街を行き交うのは昼間から酒を飲んだよどんだ目つきの中高年のみという 異常な雰囲気に驚きの連続。 でもそれを声に出せるような雰囲気ではないし、 もちろんデジカメを取り出せるような雰囲気ではない。 ただただ黙って緊張した足取りで歩き、記憶にとどめるのみなのだ。 飛田の赤線地帯では、ずらーっとならんだ100件ほどの遊郭に圧倒された。 表玄関で座って待ち受ける高齢の遊女(初めて見た)に衝撃を受けたり、 はだけた着物衣装や、純和風の部屋造りからは、 横文字風俗にはない江戸時代からの文化の名残を感じたりした。 昔はさぞかし華やかな街だったに違いないけれど、 現在進行形の遊郭は相当高齢化が進んでおり、 江戸時代の遊郭を舞台に蜷川実花が撮った『さくらん』(未見)のような 明るさや華やかさとはまったく別物の世界。薄暗くしめった空気が流れているのだ。 ここには土屋アンナも木村佳乃も菅野美穂もいるはずがない。 世代交代のない飛田遊郭は、今の現役世代がたぶんラストジェネレーション。 最年長記録はきっとここで生まれる!。 ここもそう遠くないうちに再開発が進むのだと思う。
by siwapuri
| 2007-06-14 14:37
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