EOS kiss X2(18-55mm, 50mm)を愛用中。京都在住自転車通勤族。Twitterにもおります。
by siwapuri

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CDは新しいほど偉い。レコードは古いほど偉い。

こんど引っ越しをするので、持ち物を見直している。
いま睨みつけているのは大量のCD。

普段からこまめに放出しているので、
今のこっているCDは、それなりに思い入れのあるものばかりであるけれど、
これを機にばっさり売り払ってしまってもいい。

CDを持っていても仕方がない気がする理由。

  1. iTunesに取り込んでしまえば存在意義が希薄。
  2. もはやオーディオで聴くことよりもiPodで聴くことのほうが多い。
  3. 保管が難しい。すぐに日焼けするし、プラケース・盤ともにキズがつきやすい。
  4. 名盤の再発は廃盤になってもすぐに再再発されるのでレア盤になり得ない。CDは基本的に発売から時間がたつほど価値は下がっていく。
  5. 現役を退いたレコードは古くなればなるほど希少価値を高めるけれど、 CDはいまだ技術進化を続ける現役のメディアであるが故に、最新盤が高音質盤。古いCDに価値を見いしづらい。国産CD第一号である大瀧詠一のロングバケーションにも価値はない気がする。


うーむ。レコードと音楽データさえあればいい気がしてきた。
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by siwapuri | 2008-03-28 19:51


中谷宇吉郎 雪の科学館

石川・金沢の観光は、21世紀美術館ではなく、兼六園ではなく、ユートピア加賀の郷でもなく、その近くにある、中谷宇吉郎 雪の科学館にねらいを合わせていた(建築は磯崎新)。石川県加賀市出身の中谷宇吉郎は、世界で初めて人工的に雪の結晶を作り出した科学者。科学館では雪の結晶の展示や、実験体験などができる。とサイトにあった。
ここは、金沢に住んでいた友達に教えてもらったのだけれど、地元でもそれほど知名度があるわけではなさそうな、ちょっとわかりにくい場所にあった。

▼周囲の雰囲気は寂れている。そばにある宿も陰りがある。
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▼だだっぴろい柴山潟は、噴水だけが妙にはりきっている。
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▼科学館入り口
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…写真がいまいちなのは、写真を撮る人と、天気のせいだと思う。


2Fが入り口。中に入ると、雪の結晶でデザインされた扉の奥で映像展示が、1Fに降りると中谷宇吉郎が書いた随筆、実験器具、研究資料の展示がある。
中谷宇吉郎のテキストを見ていると、世界的な科学者であるのと同時に、多彩な趣味人という印象をうけた。…どういう研究をして世界的になったのかは、えー、忘れてしまいました。花粉症で頭くらくら鼻がずるずるで。ティッシュあげようか。といわれる始末だったので。いや、いつもそんなもんですが。

でも、係員の人がみせてくれた2つの氷の実験は面白かったので覚えている。氷は外側からだけ溶けるのではなく内側からも溶けていく。その際、氷の内側には肉眼で確認できるくらい大きな結晶ができること。
もうひとつは、金属の熱伝導を利用して、氷を金型で溶かす実験。金型を当てると真四角の氷は10秒もしないうちに変形した。お玉でつくった楕円形の氷は、洗濯ばさみで挟むと虫眼鏡にもなり、うまくいけば氷のレンズを使って紙を焦すこともできるそう。


ところで、この場所はいけないお忍び旅行に似合う気がした。
そばにあるのは、人気のない公園と、静かな池と、さびれた旅館と、温泉。
秘密めいた科学館での、儚くロマンチックな雪と氷の実験。
振り返ると、加賀の郷の巨大な仏像(全長75メートル)が見守っているという構図。
そんな感じが。

なかなかいいところでした。
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by siwapuri | 2008-03-23 12:05


獅子吼高原の「もく遊りん」

加賀へ向かう途中、獅子吼(ししく)高原にある「もく遊りん」にでかけた。
ここは、木材業をしている、株式会社 角永商店が営業する飲食店。
そばにある木工房では木材や木工製品の販売もあって、スローライフという言葉を持ち出すのがはばかられるほどの本格的な高原の山の家。
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↓昼食にパスタランチと、どこか素朴なりんごのピッツァ(←メニューに従ってピッツァ)を食べた。
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↓客層は子供連れ多し。窓の外では子供が庭で遊んでいた。
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BGMはずっとキャロルキングがなっていた。You Make Me Feel Like A Natural Woman.という歌詞がはまりすぎる。



獅子吼高原はスノーボードとスカイスポーツが盛んな場所であるらしい。
この季節はどちらも中途半端であるけれど、カイトをあげる大人と子供をちらほらみかけた。凧揚げじゃなくてカイツという雰囲気のやつを。

フリー・デザインのコーラスが脳内で鳴り出す。
I like flying, flying kites. Flying kites, flying kites. Kites are fun.
カイツ・アー・ファン。

パラグライダー用のゴンドラにもうれしがってのってみた。
風が強かったので、運行できるタイミングをまって。
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今日は揺れますよ。と脅されるほどは揺れなかった。
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でも帰りは、相乗りを勧められた。
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山の上は、まだ雪が残っていて、風は強く冷たかった。
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パラグライダーが飛び立つ場所に立ってみると足がすくむ。
“獅子吼高原の山麓からゴンドラで一気に登ると金沢平野、遠く日本海まで一望できる標高650mの眺望が目の前に飛び込んできます"
という謳い文句は、曇り空のせいでいまひとつだったけれど、もうすこし暖かい季節になれば気持ちがよさそうな場所。こんな景色の中へ飛んでみたい。


もく遊りん 石川県白山市八幡町リ1-6
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by siwapuri | 2008-03-16 17:43


金沢21世紀美術館のタレルの部屋

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週末の金沢旅行では、金沢21世紀美術館にもちらっと寄ってきた。
タレルの部屋のみを駆け足で。

白い部屋の天井に真四角の窓が空いている。というシンプルきわまりないタレルの部屋を見るのは、直島の地中美術館以来。どちらの部屋もそんなに変わらないけれど、シチュエーションが違うと受ける印象は変わってくる。

目を閉じて思いにふける人あり、カバンから手帳を取り出しポエム(たぶん)を書き出す人あり。熱心に写真を撮る人あり。それぞれが思い思いにすごす個人的で親密な時間。

部屋のシートにはうっすら床暖房が入っているのがにくい。



このタレルの部屋は、新潟にもあるのだそう(ウメミンツさんの日記)。
そちらは谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』に影響を受けてつくった芸術作品、兼、宿泊施設。
ここに泊まった人は、みな部屋の中でじっと一日をすごすのやろか。
いろんな意味で贅沢や。
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by siwapuri | 2008-03-15 18:44


私の春。今年の春。

春になると私はマスクをする。目薬を、のど飴を、ティッシュを携帯する。
重度の花粉症なのだ。
一日中マスクをして鼻にティッシュをつめこんでのど飴をなめている。
まったく不愉快である。

それでもマスクをするのは不快ではない。
むしろ心地よい。
なぜなら吐いた息がマスクにこもって加湿の役割をしてくれるから。

乾燥した空気のオフィスでひとり楽しむ気持ちよさ。
アイラブマスク、アイアムマスクマン。

唾液パックは化粧水・乳液・美容液の役割を果たす高機能化粧液。
肌にみずみずしい潤いとなめらかさを与えます。

花粉症以外の人にもお薦めしたいと思う。
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by siwapuri | 2008-03-13 23:26


CLOCKWORK PORK PIE HATS / Mio Fou@拾得

今日は何できたの?
自転車っす。
わたしも自転車。

そんな会話が似合う京都 拾得で、2組のライブを見てきた。
CLOCKWORK PORK PIE HATS are
ギター:西村哲也 ベース:中島かつき ドラムス:五十川清 キーボード:大前チズル
共演:Mio Fou(鈴木博文×美尾洋乃)
CLOCKWORK PORK PIE HATSの西村さんと、かっちゃんとはお久しぶり。
オーマエさんとは年始のはちはち以来。この日は軽くご挨拶しただけで、ライブの感想を伝えそびれてしまいましたが、ロング・トレイン・ランニング風のカッティングから始まる曲が好きでした。ロックな音の中で揺れるフェンダーローズの音色も。
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写真ボケボケdeath。

Mio FouはやっぱりMio Fouで、もう戻りたくはない日々の記憶のような、けれど忘れることなどできない日々のような音世界は、1stアルバムから23年たった今もかわることなく健在。客層は40代多し。歳をかさねることで、さらに輝いて見える世界なのかもしれない。演奏中は「寝ないように」という鈴木博文の前フリに答えるがのごとく、目を閉じて聴き入る人多数だった。たぶん正しい聴き方だと思う。

アンコールのMio Fou+西村哲也の後は、前日ワークショップレコードで見つけた1stアルバムにサインをもらった。

表面はもったいないからといって
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裏面に鈴木博文×美尾洋乃と
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Mio Fouを聴いて、まだ1日のミーハーではあるけれど、それは内緒。


拾得へは今月の31日にもいく予定です。
出演:ウストキネ:鍵盤デュオ/尾引浩志(倍音S):ホーメイ、口琴、イギル等/Asoviva!:パーカッショントリオ/マジュムーア:ダルブッカ&ベリーダンス
前売り2000円/当日2500円 19:00 start

30日には高野の「まほろば」で斉藤哲夫のライブ。これも楽しみ。
またレコードを持って行こう。
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by siwapuri | 2008-03-09 09:27


天才伝説 横山やすし / 小林信彦

天才伝説 横山やすし (文春文庫)
小林 信彦 / / 文藝春秋
ISBN : 416725610X
スコア選択: ※※※※※



漫才師 横山やすし。それは79年生まれの僕にとって、すでに伝説の人だった。
正味のやすしについては何も知らない後追い世代。
むかしダウンタウンがやっていた「横山やすしのパロディコント」でしか知っていることはなく、ブックオフで100円だったこの本を手に取ったのも、伝説の芸人らしい破天荒な言動に笑えればいいと思っただけであった。

がしかし!!!

横山やすしの伝説は笑いだけでは語れないのだった。後追い世代が横山やすしを知るとき、そこにいるのは編集され美化されたやすしであり、大事な事実が抜け落ちていた。本を読んで印象に残ったのはその抜け落ちた部分。「影のやすし」だった。やすしにとり着いて離れない、笑いとは間逆のどす黒い何か。
闇のあれこれは、どこをきってもきりがなく、面白いというよりは重い。

「なんだかなあ。親御さんのどちらかから、どす黒い何かを受けついた気がするんですよね。何なのかわからないけど」
といったのは、同世代(やすしの3つ下)のたけし。

「多少の事件を起こしても、やすしが許されてしまうのは、彼が負っている影の部分に大衆が敏感に反応するからではないか。」
と語るのは小林信彦。

リアルタイムではやすしの闇は隠されていなかった。というのが後追い世代には印象に残った。
それと、横山やすしが何者かに暴行を受け、言語障害になってしまった謎の暴行事件について、小林信彦の(当時の)推理には胸が熱くなるものがあった。事実(とされていること)よりも現実味のある話に思えた。


本を読んだあと、ふと、小西康陽がマーヴィン・ゲイについて書いた文章を思い出した。
エルヴィス・プレスリーにしてもジョン・レノンにしてもブライアン・ウィルソンにしても、オーティス・レディングにしてもそうなのだか、偉大な歌手というのは、声の中に実に多くの顔を持っている。天使の顔、残酷な表情、ひどく傷つきやすい一面、親分肌、運命的な敗北者の声、神経症的な何か、ただのチンピラ、カリスマ性。こうしたさまざまな顔が、いつも同時に存在していること。それが偉大なパフォーマーの条件であり、そしてマーヴィン・ゲイにはそれがあった。というよりもマーヴィン・ゲイほど「多面性」を強く聴く者に意識させるような歌手はいなかった。
これはそのまま横山やすしにもあてあまると思えた。悲劇的な最後の瞬間までも。
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by siwapuri | 2008-03-08 12:17


走ることについて語るときに僕の語ること / 村上春樹

走ることについて語るときに僕の語ること
村上 春樹 / / 文藝春秋 ISBN : 416369580X

レイモンド・カーヴァーが好きで、ついでにカジヒデキも好きな人のブログタイトルみたいだぜ。なんて思わせる、村上春樹の走ることについて語るときに僕の語ること。走ることと、小説を書くことを語った、軽めのエッセイだろうと思わせて、そんなことはなかった。
意表をついた重みと、読み返したくなるような深みを備えた本じゃないか。慎重に言葉を選び、身を削るように、未だかつてないくらい自分自身のことが語られている。

自分について、小説について、走ることについて、そして老いについて。

とくに老いについて向き合っているところがよかった。

もちろん「年だからマラソンをやめました。」とか、「小説を書くのが辛くなってきた。」とかいうたぐいの話ではない。
よく夏フェスなんかで「年なので、野外はきついです」とかいうベテランミュージシャンがいるけれど、そんなふうに思ったことをそのまま口にするような無邪気なノリとは違う。そんなの春樹は嫌いである。僕も好きではない。

だから村上春樹が老いについて語るときも、村上春樹が村上春樹であり続ける限り、自分の一部を切り出す場面に際して、伝えることと守ることの間で葛藤する。そのプライドが心地よかった。確固たるブランドイメージを持った人が、老いについて語るときに漂う決意と緊張感をひりひりと感じる。「少なくとも最後まで歩かなかった。」という言葉にこめられた想いは、いつになくモロに熱い。冗談には聞こえない力強い断定。村上春樹の挑戦は終わらない。村上春樹は村上春樹で有り続けるのだ。春樹さま、この本若者の心にも響きました。よかったです。


※あとがきによると、このタイトルはカーヴァー夫人に許可をとった上で使用しているとのこと。さすが春樹さま。

※古本で1000円(古本にしては高い!)→本棚行き。
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by siwapuri | 2008-03-03 22:44




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